僕はペットで離婚を決めました
「謙ちゃんも小太郎も、私には大切な存在だよ。だって謙ちゃんは、子供を作る為には絶対必要なな人じゃない。謙ちゃんと入籍したのは、子供を作る為だよ」


 え? 子供作る為? 

 好きだから…愛しているから…ずっと一緒に痛いから…。

 そうゆう気持ちはないのか? 

 同棲中はしょっちゅう「愛している」とか言い合っていたじゃないか!

 入籍してからは言わなくなったな…。



 謙は頭の中にいろんな感情が沸き上がってきていた。



「謙ちゃん。小太郎も、大切だよ。いつも小太郎が居ると幸せだし、癒してくれる。だから、小太郎にはなんでもしてあげたいから、私はバイト始めたのよ」


 なに?

 運動不足だからじゃないのか? 

 謙の中で何かが切れた感じがした。


「バイトのお金は、全部、小太郎に使っているのよ。小太郎、とっても喜んでいてスイミングも頑張っているんだから」


「お前…本気で俺とやっていく気あるのか? 」

「え? 」


「俺がもし、小太郎を捨てろと言ったらお前どうするんだ? 」

「小太郎を捨てる? なんで? 」


「あれだけ邪魔されている。何回アレを中断したと思ているんだ? 入籍してから、一度もまともにしてないんだぞ! 判るか? 」

「うーん」


 美奈は良く判らない顔をしている。


「20代のうちに子供を産みたいって、お前が言うから入籍して子供作ろうとしているのに。犬に邪魔されてたら、できるもんもできねぇだろう? 」

「そっか…。ここだと邪魔されるよね。じゃあ、旅行に行かない? 」

「旅行? 」

「うん、場所が変われば気持ちも変わるじゃない。ここだと小太郎に邪魔されるって、思ってしまうなら旅行してん場所変えて気分変えれば大丈夫でしょう? 」


 う…。

 確かに旅行で犬がいなければ、邪魔されることはないからな。


「分かった。じゃあ、そうする」

「じゃあ、さっそく宿捜すから。今度の週末行こう」

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