僕はペットで離婚を決めました

「あら、小太郎どうしたの? 」

 美奈が声をかけると、嬉しそうに尻尾を振っている小太郎。


「ワン、ワン」

 吠え始めた小太郎は、ゲージを越えて出てきてしまった。


 そのまま、謙と美奈のベッドに入ってきた小太郎。


「小太郎ったら、遊んでほしいの? もう寝る時間よ」

 ペロペロと美奈の頬を舐めている小太郎。


 謙はちょっと呆れた顔になった。


「小太郎、今日は大切な日なの。ちょっと、待っててくれる? 」

 と美奈が言うと、ベッドから降りた小太郎。


 謙はため息をついた。


「謙ちゃん、ごめんね。もう大丈夫よ、小太郎待っててくれるって」

 ニコッと笑って美奈が言った。


「…ごめん。今日はちょっと…」

「え~? どうしたちゃったの? 謙ちゃん」

「あ、いや。美奈が悪いわけじゃない。俺の問題。明日は大丈夫だから」

「そうなの? まっ、明日でもまだチャンスあるから大丈夫よ」


 ニコッと笑って、美奈はパジャマを着て小太郎を抱き上げてゲージに戻した。


 謙はパジャマを着て、寝室を出た。




 キッチンに来て、水を一杯飲む謙。

 
「はぁ…。犬を飼うって、こうゆう事か…」

 ため息をついて、謙はまた寝室へ戻った。




 寝室に戻ると、美奈はもう寝ていた。


 謙はモヤっとした気持ちが残っていたが、そのまま眠った。
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