Sync.〜会社の同期に愛されすぎています〜

私たちはまるでお互いが高校生の頃に戻っているような気分だった。

もしも、私たちが高校生の頃から付き合っていたとしたならば今頃どんな大人になっていただろうか。
もう、「別れる」ことを選んでいたかもしれないし、結婚していたかもしれない。
でも、過去に戻ろうとは思わない。

バスの中で見かけていた「学ランのイケメン」に恋をしていただけならば、きっとそれだけの「恋」で終わってしまっていたのだと思う。
逆に、泰生が私への片思いの恋を簡単に実らせていたら、私はそ#れだけの子__・__#で終わっていたのだと思う。

ここまでに、お互いが惹かれあって愛し合うことなどなかったと思う。

今まで一緒に仕事をしてきて、信頼や絆で結ばれてきた。
泰生の性格や全てを知り尽くして、気がついたら私は、夢中になっていてどんどん泰生のことが愛おしくなってきた。

この感情に気づかせてくれてありがとう。
私は、生まれて初めて「この人と一緒に生きたい」ってそう思ったよ。
泰生も同じことを考えてくれればいいな・・・

そう思いながら、泰生の手を握る。
アラサーな私たちが、人目も気にせず手を繋いで街を歩く。
この東京という街を行き交う人々や、景色がまた違って見える。

これからももっとたくさんの景色を見ていきたい。一緒に・・・


ーSide 1One way loveー fin.
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