Bloody wolf
ある意味興味のない事は気にしてないからかも知れないけど。

不良の子達は知ってたのかも。


「明日の招待状もすでに手に入れてるんだよね」

そんな気がしてたよ。

「ええ、その通りです」

綺麗に笑った秋道は悪びれる様子なんてどこにも無かった。


じゃあ、私にわざわざ聞かなくてもいいじゃん。

本当、食えないな、秋道って。


「そ」

興味が無くなった素振りで視線を逸らした。


「拗ねんなよ」

隣で晴成がクククと笑う。

「煩い。それより、毎日迎えに来るの止めてくれない?」

そうだ、今日はそれを言おうと思ってたんだよね。

毎日は来ないって言ってあったのに、私がバイトから変える時刻を狙って、毎日マンションまで迎えに来るのよ。

黒塗りの車でね。


最初の何日かは振り切ってきた帰ったけど、何時までもマンション前で待たれてて私の方が折れた。

それから味をしめたように長く待つようになった。


「響いねぇと寂しいし」

「知らないわよ、そんなの」

「お前も家で1人で居るより、ここにいた方が食いっぱぐれなくていいだろうが」

それを言われると、強く言えなくなる。

連れてこられては、しっかりと用意された夕食にありついてる。


だって、美味しいんだよ。

晴成ところのシェフの作る料理がね。


「日中に眠くなるから、毎日は困る」

危うく授業中に寝そうになったし。


「寝むけりゃ、隣の部屋で寝ろよ」

「いや、そう言う問題じゃなくてね」

そう言いながらも、隣の隣と隣接する壁を見た。

へぇ、ベッドのある部屋があるんだ。


「最近、部屋を改装してベッドも新しいものに入れ替えかえたから好きに使えよ」

「そう。前は何に使ってたの?」

意味もなくそう聞き返したら、晴成がバツが悪そうに目を泳がせた。


「ん? 何か都合悪いこと聞いちゃった?」

晴成以外に視線を這わせたら、みんな気まずそうにしてた。

はは~ん、何となく分かった。


「女遊びの部屋ね」

と言い切ったら、隣で晴成がどんよりと重い重石が乗ったように沈み込んだ。

フフフ・・・面白い。


「響ちゃ~ん、それ以上うちの総長を苛めないでやってよぉ」

ね? と小首を可愛く傾げた光希。

「フフ、良いよ。若気の至りだもんねぇ」

女遊びも彼らの世界では、普通なんだと思うし。

胸奥で、何かがキリキリしたことは認めない。
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