Bloody wolf
「ひ、響!」
我を取り戻した晴成が、急に私の腕を掴んだ。
「へっ?」
な、何なのよ、急に。
「遊んでねぇ。今はもう遊んでねぇぞ」
そんな真剣な顔で言われても、どうしろって言うのよ。
「あ、そうなんだ」
「反応薄い・・・」
晴成のアンバーな瞳が、ゆらゆら揺れてる。
どうしろと・・・・・本当、困る。
その瞳はドキッとしちゃうから。
「・・・分かった。もう遊んでないのね」
「ああ」
「だから、部屋も模様替えしたの?」
「ああ」
「そっか。なら、それでいいんじゃない?」
他人事の様に告げたら、
「・・・お前ってそう言う奴だよな」
溜め息をついた上に、やるせないというように左右に首を振った晴成。
私の肩を掴んでたはずの手は力をなくして、重力に引かれるようにダラリとぶら下がる。
「響さん、それぐらいで」
秋道が困り顔で言ってくる。
「さすがにもう追い討ちは止めたげて」
瑠偉まで懇願してきた。
光希と豪が憐れみの視線を晴成に向けていて。
えっ? ちょっと待って。
私が悪いみたいになってるんだけど。
どういう事よ。
「私、悪くないよね?」
と言えば、
「ええ。響さんは正直なだけです」
と眉を下げて秋道が笑う。
「・・・俺が・・バカだった・・俺が」
ぶつぶつと小さい声で呟いてる晴成がちょっと怖い。
それに部屋の空気がいたたまれないのよ。
「わ、私、そろそろ帰ろうかな」
明後日の方向を向いて立ち上がる。
「そうしましょうか。今日はもう晴成が使い物にならないので、別の者が送ります」
使い物にならないと言われた晴成は、俯いて落ち込んでる。
明日のジョーの燃え尽きたジョーみたいで、ちょっと面白かったが、それはあえて口にしなかった。
「ん。送ってくれるなら誰でもいいよ」
晴成に絶対に送ってもらわなきゃいけない訳じゃないし。
「じゃあ、俺が送る」
そう言って立ち上がったのは豪。
「ん、よろしく」
豪に向かって歩き出すと、瑠偉が抗議の声を上げた。
「ずりぃ、俺だって送りてぇ」
「悪いけど、まだ死にたくないから、瑠偉は無理」
粗っぽい運転の瑠偉に命は預けられないよ。
「えぇ~そんなぁ」
「ほら、瑠偉は安全運転覚えてからにしようね」
光希、慰め方の方向性が違う気がするよ
安全運転は一番最初に覚えなきゃいけないんだよ。
我を取り戻した晴成が、急に私の腕を掴んだ。
「へっ?」
な、何なのよ、急に。
「遊んでねぇ。今はもう遊んでねぇぞ」
そんな真剣な顔で言われても、どうしろって言うのよ。
「あ、そうなんだ」
「反応薄い・・・」
晴成のアンバーな瞳が、ゆらゆら揺れてる。
どうしろと・・・・・本当、困る。
その瞳はドキッとしちゃうから。
「・・・分かった。もう遊んでないのね」
「ああ」
「だから、部屋も模様替えしたの?」
「ああ」
「そっか。なら、それでいいんじゃない?」
他人事の様に告げたら、
「・・・お前ってそう言う奴だよな」
溜め息をついた上に、やるせないというように左右に首を振った晴成。
私の肩を掴んでたはずの手は力をなくして、重力に引かれるようにダラリとぶら下がる。
「響さん、それぐらいで」
秋道が困り顔で言ってくる。
「さすがにもう追い討ちは止めたげて」
瑠偉まで懇願してきた。
光希と豪が憐れみの視線を晴成に向けていて。
えっ? ちょっと待って。
私が悪いみたいになってるんだけど。
どういう事よ。
「私、悪くないよね?」
と言えば、
「ええ。響さんは正直なだけです」
と眉を下げて秋道が笑う。
「・・・俺が・・バカだった・・俺が」
ぶつぶつと小さい声で呟いてる晴成がちょっと怖い。
それに部屋の空気がいたたまれないのよ。
「わ、私、そろそろ帰ろうかな」
明後日の方向を向いて立ち上がる。
「そうしましょうか。今日はもう晴成が使い物にならないので、別の者が送ります」
使い物にならないと言われた晴成は、俯いて落ち込んでる。
明日のジョーの燃え尽きたジョーみたいで、ちょっと面白かったが、それはあえて口にしなかった。
「ん。送ってくれるなら誰でもいいよ」
晴成に絶対に送ってもらわなきゃいけない訳じゃないし。
「じゃあ、俺が送る」
そう言って立ち上がったのは豪。
「ん、よろしく」
豪に向かって歩き出すと、瑠偉が抗議の声を上げた。
「ずりぃ、俺だって送りてぇ」
「悪いけど、まだ死にたくないから、瑠偉は無理」
粗っぽい運転の瑠偉に命は預けられないよ。
「えぇ~そんなぁ」
「ほら、瑠偉は安全運転覚えてからにしようね」
光希、慰め方の方向性が違う気がするよ
安全運転は一番最初に覚えなきゃいけないんだよ。