いつか、きっと。

本当に、可愛らしい女性だった。

お相手の男性より、主人公の女性にキュンキュンしてしまったもの。

友也にも可愛く映ったのかな？

あ、でもさっき映画館で……。

『俺からしてみれば、明日美の方が可愛かって思うぞ』

なんて言ってくれたよね。

やだどうしよう、思い出しただけで顔がゆるんでしまう。

｢そう言えば、前から聞いてみたかったとけど。生田と御子柴って、家が隣同士ってホント？なんかさ、付き合いよるうちはよかやろうけど、もし別れたりしたら気まずくねぇ？｣

｢ちょっと瀬名くん!?別れるとか縁起でもなかこと言わんでくれん？｣

もしかして瀬名くんもあの例のジンクス知ってるのかな。

｢ジンクスのことば言いよるとなら、俺ら気にしとらんけど。もしそのジンクスが当たるとなら、長崎のカップルはどがんなる？そいこそ有り得んやろ｣

｢ふーん、自信満々か。じゃあなんで俺は当たったとやろな。てっきりジンクスのせいって思ったとになぁ｣

｢瀬名くん、稲佐山デートした彼女と別れたと？｣

未来が瀬名くんの発言に食い付いた。

｢別れたよ。俺が就職してすぐのちょうど今の時期かな、夜景見に来たことのあって。でもそのあとすれ違いで上手くいかんごとなって、半年後くらいに終わった｣

そう言えば就職して間もない頃に聞いた話では、瀬名くんは高校生の彼女がいるって。

その後、別れてしまったんだね。

でもあの頃確か『社会人と学生じゃ都合が合わない』って悩んでたんじゃなかったっけ。

ジンクス関係ないんじゃないのかな。

｢すれ違いって、お互いの努力の足りんかったんじゃなかとか？ジンクスのせいにするとは稲佐山に失礼かぞ｣

｢お前らは大学生と社会人でもすれ違わんやったとばいな。付き合い始めたとは高校の時からって聞いたけど、家が隣なら幼稚園とかから一緒やったと？｣

｢ううん小学生の時に引っ越したけん私、小六の時からお隣さんになったとよ。小五までは未来と同じ小学校やったと｣