いつか、きっと。
「俺は別によかけど……。あいつらに黙って帰るわけにはいかんやろ。俺がちょっと言うてくるけん」

「待って!よかよ瀬名くん。言わんでよかと」

車を降りようとした瀬名くんを引き留めた。

「いや、でも。あいつら知らんやろ、俺らが戻ってきたってこと」

「それは、あとで電話するけん。今は……お願い…………」

多分、未来は私と瀬名くんが戻ってきたことを知っている。

雨で視界があまり良くなかったから確実ではないけど、未来と目が合ったような気がしたから。

友也は前を向いていたから私たちに気づかなかっただろうけど。

「まあ、な。お前がそうしたかとなら。濡れたままじゃどうしようもなかし、とりあえず送っていく。……本当によかとな?」

「うん、ごめんね瀬名くん……」

未来、どうして?

作戦って一体なんだったの。

あの時見た車の中での二人、私に見せつけるためにわざとあんなことしたの?

未来が、友也に抱きついた瞬間を私は見逃さなかった。

その後二人がどうしていたのかは分からない。

瀬名くんに車に乗せられたからっていうのもあるけど、それ以上に見たくもなかった。

何が何だか訳が分からなくなってしまったけど……。

ただ一つだけ、友也と未来と私の関係が大きく変わってしまったってことだけ分かった気がした。

ダブルデートなんて、言い出した自分がつくづく嫌になる。

もう何も考えたくない。

どこかに消えてしまいたい、ただそれだけだった。



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