いつか、きっと。
雨はさっきよりも強くなって、本降りという感じだ。

今朝の天気予報での降水確率は見ていないけど、雨が降るとは聞かなかったのに。

ザアアアアーと雨が屋根に当たる音が響いている。

二人とも傘を持っていないから小降りになるか止むのを待たないと帰れそうにない。

しばらくはここに居るしかなさそうだけど、友也と一緒なのは嬉しい。

ただ、さっきから黙ったままの友也にちょっと戸惑いを隠せないけど。

この沈黙はいつまで続くのか……。

友也が言いたいことが私と同じなら、私から言ってもいいのかも。

いつまでも続きそうなこの重苦しい空気に耐えられなくなってきた私が口を開きかけると、それを遮るかのように友也がやっと言葉を発した。

「お、俺……。高校生になる前に、明日美に言っておきたかことのあるとけど……」

「私に?」

これは、もしかして、いよいよかな。

私がずっと友也から言ってほしいと思ってた言葉を聞けるの?



「俺、明日美に誓っておく。高校生の間は、彼女は作らんけん」



………………え?

「南海は男子校やし、女子と知り合うこともなかやろうけど。それに部活で忙しかったら休みも遊ぶ暇なかと思うし。とりあえず俺は自分の夢に向かって頑張らんばって思っとるけん」

『彼女は作らん』ってことは、つまり……。

私とも付き合うつもりはないってことだよね?

なんで私にそんなことを誓うのかな。

友也が彼女を作らないのなら、私だって彼氏作らないよ。

私の好きな人はただ一人、友也しかいないんだから。

私の伝えたかった想いは、もうしばらく封印しておいた方がいいのかな……。

彼女じゃなくても、私は友也の親友なんだから。

家だって隣だし、毎日でも会えるんだもん。

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