夜が明けるとき ~続・魔法の鍵と隻眼の姫
注目されてるのに気付いたミレイアは頬を染め俯くと、トニアスが手を繋いでくれて顔を上げ目が合いはにかんだ。
ラミンとトニアスの二人と手を繋いで満足顔で前を向けば微笑みかけてくれるセイラスとリノンに満面の笑みを返す。

アルトバル国王は深くため息をついて式を続けた。

護衛としてラミンをミレイアの側に付かせたのは失敗だったかな…。
仲睦ましい二人を見てしまうと愛する娘を取られたことが許せなくてついラミンを睨んでしまう。
ただ、今ミレイアがここにいるのはラミンのお陰でそれはこの上なく感謝はしてるのだ。
ミレイアの幸せそうな顔を見てるともう手放さなくてはいけないのかと寂しくて取られる腹いせにジクジクとラミンに意地悪をしてるのだが…。

息子の大事な結婚式にまたため息をついてしまって、その理由に勘付いているセイラスにこっそり笑われてしまった。

国王は気を取り直し咳払いをしてセイラスに王太子の位を授ける儀式を始めた。

………
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