不機嫌な彼と恋のマジックドライビング
手にしている花はいつもショールームやトイレに飾られ、外の枯れた花をつんだり、草むしりをしたりする彼女を見ているうちに、車しか興味がなかった俺の頭の中は、いつのまにか彼女でいっぱいになっていた。

どうしたら近づける…?

いくら同じ建物とはいえ、本社の内勤の彼女とはまるで接点なんてない。

せいぜい朝、顔を合わせたて挨拶するくらいしかできないでいた。

いきなりデートにでも誘えばいいか?

しばらく女を避けて生きてきた俺はどうしたらいいかまるでわからない。

今までの人生、いつもコクられて黙っていても向こうから寄ってきたし、見るからに男慣れしてなさそうな彼女へのアプローチの仕方がよくわからない。

日々、可愛い彼女を見つめ、想いながら悶々としていたら、ある日彼女は車を購入して車通勤にかわってしまった。

社員駐車場は指定された位置に車を停めるのだが、彼女の駐車場はラッキーなことに片瀬さんの隣。

すぐに俺は片瀬さんに頭を下げた。
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