不機嫌な彼と恋のマジックドライビング

「香田さん、仕事と関係なくプライベートで遊ぼうよ。片瀬さんも一緒にねぇ。飲み会でもいいし」

そんな会話が聞こえてきて、足早に菜摘と休憩室の前を通過する。

「相変わらずモテモテだね」

「うん…。今までは何となく目にしてたけどあんなにくっつかれるのちょっとやだな…｣

しょげかえりながらとぼとぼ二人でコンビニへ向かう。

あんな光景を目にしてすっかり食欲がなくなり、お腹が鳴らないように詰め込むためだけにおにぎりひとつとヨーグルトを買った。

もう一度休憩室の前を通過するのは気が引けた。

また先程と同じ光景を目にするのかと重い足取りで歩いていると、休憩室の入り口に寄りかかって立つ香田さんがいた。