クリスマスの夜に、ただ一つの願い事を
「……じゃあ、なんだよ?」
何か少し嫌な予感がする潤。
真依が「お泊まり会の時に……、潤が──・」と言いかけた時に潤が「おいっ、ちょっと待てよ!恥ずかしいから、止めろって、その話は……。はいっ、その話は終わりー!」と真依の口を必死に手でふさいだ。
潤がふさいでいた手をすぐに離すと、真依が潤の顔を見ながらわざと大きく息を吸って深呼吸をした。
「あーー、苦しかった!」と真依がにっこりと笑う。
「どうせ、また、──あの話をするつもりだったんだろう?」
「うん。そうだよ、あの話だよ!」
潤も思い出して思わず「ぷっ……」と吹き出しそうになって笑う。
幼稚園の頃の潤はまつ毛が長くて目がくりっとして大きくて西洋のお人形みたいで凄く可愛かった。
幼稚園で初めてのお泊まり会の時、潤はおねしょをしてしまった。
たまたま布団の予備がその日なくて。
私の布団で潤と私は一緒に寝ることに──。
ずっと、布団の中でもおねしょをしたことが恥ずかしくて泣いている潤。