あたしを知らないキミへ
ワンワン‼

あたしに続いてサキもベッドにやって来る。
そして、そのままあたしの頬を舐める。

「サキ・・」

気づいたらあたしの目から沢山の涙が頬を伝った。
なんでだよ。
なんで涙なんか出てくるんだよ。

あたしは自分の手で勢いよく涙を払った。
だけど、涙は止まることを知らずに止めどなく溢れ出してくる。
そんな涙をサキが舐めてくれた。

苦しかった。

ただ苦しかった。
< 106 / 388 >

この作品をシェア

pagetop