あたしを知らないキミへ
「お邪魔しまーす。って、朋美のお母さんは?」

いつもなら「恵美加ちゃーん!」って言いながら抱きついてくるのに。

「今日はお父さんもお母さんも仕事だからいないよ!」
「そっか」
「恵美加!ささ、上がって上がって!」

朋美の後に続いてあたしは部屋に入った。

「あれ?模様替えしたの?」
「あーー・・うん!気分で!」
「朋美に限って気分で部屋の模様をピンクから真っ白にすることなんてあるんだな」
「あはは。あるに決まってるよ!」

朋美の部屋はピンクから、全面真っ白のシンプルな部屋に変わっていた。
中学の時からずっとピンクの部屋だったから、部屋の模様替えをしたことは、正直びっくりした。

ピンクの部屋しか見てこなかったせいか、朋美=真っ白な部屋は、少し慣れなくて変な感じがした。
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