あたしを知らないキミへ
「どうせ美麗先輩って顔だけでしょ?」
「絶対性格悪いって」
「男好きだったりしてね」
「マジで嫌い・・」

この醜い感情を、口に出してしまう時だってあった。
相手の悪いところを探して、作って、それで自分が上に立ったように感じて、必死に自分は美麗先輩よりいい人間だと思い込んだ。


そんなあたしを朋美は心配しながら、だけど何も言わずにあたしの話を聞いてくれた。
だんだん嫌な女になっていくのが、自分でも分かってはいたけど、どうしても止められなかった。

そうじゃなきゃ・・


やっていけなかった。
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