あたしを知らないキミへ
赤ちゃんは女の子で、名前は「若菜」(わかな)
斗真似ですっごく可愛くて仕方がない。

多分あたしは親バカ。
そんな幸せな日々の中、あたしは生きている。

あたしは、あれから27歳になっていたーー。


若菜がもうすぐで1歳になろうとしている時、若菜と2人であたしの実家に帰ることになった。
斗真も一緒に行く予定だったけど、あいにく仕事が重なって行けなくなってしまった。

そして実家に着いた時、お母さんは飛び跳ねるくらいに、あたし達の帰りを喜んでくれて、今では若菜を離さず、ずっと抱っこしてくれている。

そんな若菜はというと、お母さんの腕の中がよっぽど気持ちいいのか、スヤスヤ眠っている。

「お母さん何か飲む?」
「じゃー麦茶をお願いしようかしら」
「うん。分かった」

あたしは自分用のと2人分の麦茶をコップに注いでから、お母さんが座っている窓のところに腰を下ろした。
< 368 / 388 >

この作品をシェア

pagetop