あたしを知らないキミへ
「若菜、重いでしょ。ちょっとベッドに寝かせたら?」
「久しぶりだったから、つい嬉しくって。じゃー、そうしましょうか」

お母さんは、寝ている若菜を連れてベッドに寝かせてから、またあたしのところに腰を下ろした。
外は大きな太陽が照らし出していて、眩しいくらいに輝いている。

「なんだかこうして2人でゆっくり話すのって久しぶりだわねー」
「そうだね」
お母さんは、どこか遠くを見つめながら懐かしそうに、そう呟いた。

「斗真くんっていう素敵な人に出逢えて、若菜っていう可愛い子供が生まれて恵美加がすごく幸せそうでお母さん本当に嬉しい。最高の親孝行を今してもらってる」

そう言ってお母さんは、優しく微笑んだ。

「急にどうしたの。なんか照れくさいよ」
「ねぇ恵美加」
「うん?」
「お母さん、恵美加にね、ずっと謝りたかったことがあるの」
「なに?」

それは、あたしも想像がつかないようなことを、お母さんは話し出したんだ。
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