あたしを知らないキミへ
近づくこともなければ遠くなることもない距離。

いつも遠くからアンタを見ているだけだった。

だけど、この今の距離があたしにとってすごく居心地がよかった。

電車はこれでもかってくらいに空いているのに、アンタは椅子に座らずにいつも立っていた。

携帯をとくいじっているから、あたしはアンタの横顔を見ることの方が多かった。

だけど、それだけであたしは、胸が高鳴った。



学校から帰った日の夜、あたしは久しぶりに朋美と電話をした。

いつもメールだけだったから、ちょっと違和感。
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