今夜23時、ベリーズカフェで。


女の人は相変わらず、
手元の本から視線を外さない。


二人きりの店内。

独特な雰囲気に包まれた気がしながら・・とりあえず一番近い席に座った。


「ご注文が決まりましたらどうぞ。」


「・・・・・。」


メニュー表は全て手書き。
あの人が書いたのかな・・。

キレイな人が書く字は、
言うまでもなく綺麗だった。


「あの・・カフェラテをお願いします。」


「・・・かしこまりました・・。」


本を閉じてゆっくりと立ち上がる。
ゆっくりとお店の奥へと消えていく。


目を合わせてくれないから余計に・・
その姿に見とれてしまっていた。




















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