クールな部長の独占欲を煽ったら、新妻に指名されました


 だめだ。
 そんな無防備な恰好で男に近づいてくるな。

 遙の裸エプロン姿を直視したら理性を保っていられる気がしない。

 目をそらさなければ。
 いやでも勝手に視線が遙に吸い寄せられる……。
           
 ひとり欲望と理性の間でし烈な戦いを繰り広げる俺を、遙が不思議そうに首をかしげてのぞきこむ。

        
 その姿に、俺はずっと止めていた息を思いきり吐き出した。


 よく見れば、エプロンの下にノースリーブのワンピースを着ているのがわかった。
 遠目から上半身だけを見たときは裸なのかと思ったけれど、俺の勘違いだったらしい。

   
 それもそうだ。
 純粋で無垢な遙が裸エプロンで俺の帰宅を待っているなんて男の妄想のような展開があるわけない。
      
< 125 / 218 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop