クールな部長の独占欲を煽ったら、新妻に指名されました


 新谷さんは千波さんの塩対応にもまったくめげず、手を上げ笑顔でウエイターさんにメニューを頼む。
     
「で、宮下さんと南部長って付き合ってるんだ?」
 
 届いたメニューを開きながらさらりと言った新谷さんに、私は驚いて飲んでいたアイスティーを吹き出しそうになった。

「話を聞いてたんですか!?」

 涙目でせき込みながらそうたずねると、新谷さんは悪びれもせず「ごめんね。聞こえちゃった」と肩をすくめる。

「まぁ、前に俺が宮下さんを飲み会に連れていったときの部長の焦りっぷりを見てから、もしかしたらとは思っていたけど」

「その事件がきっかけで、ふたりの仲が発展したのよね」

「へぇ。じゃあある意味俺がふたりのキューピットなんだ。感謝してもらわないと」

 明るく言った新谷さんの言葉に、千波さんの眉間に深いしわがよった。
          

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