クールな部長の独占欲を煽ったら、新妻に指名されました

「でも、お母さんは一言も反対せずにおめでたいわねって言ってくれたよね。交際ゼロ日でいきなり両親に結婚させてくださいって頭を下げるなんてふつうはありえないのに」

「だって恵介くんは、真一の友達としてうちに遊びにいきていたころから知っていたもの。少しぶっきらぼうに見えるけど礼儀正しくてまっすぐで、この人なら遙を任せられるって信頼できたから」

 母が言いながら私を見つめる。
 その視線を感じて私が包丁を持つ手を止めると柔らかく微笑みかけられた。
      
「遙も入社してから二年間、部下として一緒に働いてきて、恵介くんがどんな人かちゃんと理解して彼に惹かれていたから突然のプロポーズも受け入れたんでしょう?」

 その言葉が胸に刺さった。

 そうだ、私が部長に惹かれたのはかっこいいからだけじゃない。

 いつも誠実でまっすぐで頼りがいがあって、とても素敵な人だって知っていたから。
 だから私はずっと彼にあこがれ続けてきた。
       
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