全ては君の思うまま
全ては君の思うまま
それから3年後。

「私、騙されてない?」

純白のドレスを着た私は、葡萄畑の中を歩いている。

カメラマンもいたりして、現実感がない。

婚姻届は2年前に出して、忙しいから式なんかしなくていいよって言っていたのに。
葡萄棚の下で結婚式ってどういうことよ?
でも、楽しいからいいか。

いやだ、槙に似てきたんじゃない?
でも楽しまなくっちゃ損だよね。


こんな結婚式ってないなぁ。


ワイナリーの宣伝もかねて、ここで結婚式をすることになってしまった。

新居も2人ではとても広すぎる一軒家をワイナリーの近くに建ててしまった。

恐るべき、財力。
私の力では、ない。
ここ、強く言っておく。


神父の前に、それでも少し緊張している彼が待っている。結婚式には、私の家族と、そして槙の父親、ワイナリーの従業員、私の営業所の職場の皆様、本社からかけつけてくれた懐かしい面々がいる。

父親もリハビリを重ねて、誰かに支えてもらえれば歩けるくらいに回復した。


ワイナリーも、今では穴場のデートスポットとして注目を浴びている。

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