@YUMI KO
しかし『いなくなったでしょ』と続いた言葉に、理香先生の事を言っているのだと理解した。


「どうしてそれを知ってるの?」


あたしは腕の中のエマに聞く。


両親には理香先生がいなくなったことを話たから、その時偶然聞いていたのだろうか。


そう思ったが、エマの解答は全く別のものだった。


「見えたから」


え――…?


腕の中のエマが、途端に遠い存在のように感じられた。


全身が冷たくなり、鼓動が早くなる。


「ユミコさんから電話が来たんだよ」


さっきまでのたどたどしさはどこかへ消えて、やけにハッキリとした口調で言う。


「なに、言ってるの……?」


腕の中にいるのは確かに妹なのに、得体の知れない何者かのような気がして、抱きしめる手から力が抜けた。


「ユミコさんからの電話がきたらね……」


瞬間。


夢に出て来た白いワンピースの女が思い出された。


実際に見たわけじゃないのに、まるで目の前にいるかのように鮮明に。
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