極上旦那様ととろ甘契約結婚
ひとしきり笑いあった後、不意に修吾さんが表情を改めた。纏う空気もピンッと張ったのが分かる。

「今更だけど、大切な事だから。やり直していいかな?」

「やり直す?」

何の事だと小首を傾げた私の額をつんっと突いた修吾さんは「分からない?」とちょっとご不満そうだ。

でも全然分からない。
この流れでやり直すと言うならなんだろうと考える私に、修吾さんは困ったように笑う。

そうして微笑んだまま、愛おしげに伝えてくれた。

「俺と結婚して下さい」

オフィスの昼休み、不意打ちに言われた「提案だ。結婚しよう」と言う言葉。
甘さもなにもない、感情を伴わないプロポーズは、私にこれっぽっちの熱も感じさせなかった。
でも、その先にあった生活は思い掛けない事の連続で、私の人生を大きく変えた。

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