極上旦那様ととろ甘契約結婚
「そしたらどうする、のかなぁ」

考え始めると落ち込んでしまいそうだから、ふるふると頭を振って朝の家事を始めた。

どうせいくら考えたって答えの出ない問いなのだ。修吾さんの考えだって聞いてないんだし、先の分からない将来の事を考えても仕方ない……と納得した後で一つの可能性が浮かんだ。

「……本当に好きになっちゃったら?」

思わず掃除機を持つ手が止まる。

結婚してから一ヵ月、会社の飲み会が一度あった以外、どんなに遅くなっても修吾さんは毎日夕飯をうちで食べる。土日も細々とした片付けや買い物に積極的に参加してくれる。

しかもプライベートの彼はやっぱり意外と笑い上戸で、お喋りではないけれど会話も上手いし、一緒にいて楽しい人だ。同じオフィスで働いていた時に感じた、とっつきにくさや無表情さは全然感じない。

一緒に住み始めるまでに二人だけで食事をした回数も片手で数えられるくらいだったのに、最初からお互いにリラックスした空気で過ごせることに、私は自身も内心驚いているのだ。

そして、惜しげもなく自分の前で素を晒してくれる修吾さんに私の中で母性本能だか好意だか得体の知れない感情が揺らいでいるのも確かで。

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