【短編】クリギリ・ナイト
「あの…もう帰りますね。」


隣で司が、デレデレしている中、妹の、りこが突然いいだした。


慌てふためく俺。


ここで、ビシッと連絡先ぐらい聞かないでどうするよ、俺。


ああ、まただぁ〜


あの、中学の時のトラウマが俺を襲うぜ!!


「ああ」しか言えなかった俺。


あれから、久しぶりに俺のタイプが目の前にいる。


身体だって、まだまだ鍛えてんだぜ、俺。



「あ、あの…りこちゃん、連絡先を教えてください。」


声が小さすぎるよ、俺。


ほら、聞こえねーって顔してんじゃあねーか。


「あの…あの、りこちゃん、連絡先を…」


今度は調子に乗って声がでかすぎたぜ、俺。


司もまゆさんも、クスクス笑ってる。



「こんなに近いので、そんなに大きな声出さなくても、しっかり聞こえてますが。」


俺って、はずっ。


「じゃあ、これ、りこの連絡先ね。」


「あ、ありがとう、りこちゃ〜ん。」



もし今、誰もいなかったら、押し倒したいぐらいだぜ。


「りこちゃん、すぐに連絡するから。」


「待ってますから。」


少し、ずり落ちたメガネをぐいっと上げ、ニコッって笑った、りこちゃん。



た、たまんねぇ〜



これは、いつ、どんな事が起こるかわからない。


この身体をいつでも、りこちゃんに見せれるように、ますます鍛えなきゃあ!!

よし、明日から腹筋200回!!


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