never (上)
「まぁいい。ゆっくり休め」
優しく頭を撫でられる。
嬉しい……。
久しぶりの安らぎなのに睡魔が邪魔をする。
もう少し……もう少しだけ。
「…柚莉……寝ろ」
優しく呟いた言葉が合図のように私はそっと目を閉じた。
もし貴方が私を変えてくれるなら……。
望みをかけてもいいのかもしれない……。
大切な人を失った私には……生きる気力もない。
それでも……貴方が私を必要としてくれるなら。
もう少し……あと少しだけでも……頑張れる。
だから…………………。
〘柚莉〙
私が……壊れるまで。
その手を……離さないで。