記憶の中の貴方
「……私は捜査に加わったらいけないんじゃないですか?」


相手から言われた時点で素直に承諾すればよかったと、後悔する。


「まあ、そうなんだけど……ちょっと聞きたいことがあって。来れそう?」
「……行きます」


変な間を作ってしまった。
だけど、私がそう答えたら、先輩は電話を切った。


携帯をポケットに戻し、署に向かった。





捜査本部が設置された部屋に入ると、先輩と警部がいた。


「木瀬に確認してもらいたいものがあるの」


先輩はそう言いながら、私にノートパソコンの画面を見せてきた。
私が画面に集中すると、映像が流れ始めた。


それは駅の映像だった。


「白木(とおる)が見つからない」


画面から顔を上げたが、すぐに映像に意識を戻した。


日付は今日のもので、五時からのものを早送りしている。


「木瀬なら、白木徹の私服がわかるんじゃないかと思って呼んだんだけど……わかりそう?」


七時すぎても、白木くんらしき姿は見つけられなかった。


私は首を横に振る。


すると、先輩は部屋を飛び出していった。


「木瀬」


ホワイトボードに記されている情報を盗み見ようとしたとき、警部に呼ばれた。
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