ツンデレ娘とヘタレ男は気付かない
猛視点




なんで負けたんだ



最後、あの場面でパスしてなければ




みんなは球技大会だからと俺を励ましてくれたが、大事なのはそこじゃない



俺はキャプテンでありながら、メンタルが弱い



肝心な時に怖じ気づいてしまう




だから、蒼からも嫌われてしまうのか




俺が意気地なしだから……









「おーい、おい!」


「うおっ、何だよ」

「何だよじゃねぇよ、どうしたぼーっとして失恋でもしたか?」


「してねぇよ!!」


「それより、テストどうするよ?」


「お前らでもテスト勉強するんだ?」


「しねぇよ、じゃなくてテスト休み!お前らバスケ部も休みだろ?だったら、どっか行こうぜ」


またかよ……行きたくねぇな

「ああー、俺はパスで良いかな」



「ええー、行かないのかよ」


「なんか予定でもあるのか?」



「勉強しねぇと赤点になっちまうからなぁ」



「お前、そんなに頭悪かったっけ?」


「まぁな」

嘘です!俺実は結構頭良い方です!


「じゃあ、アイツを誘うか」


「アイツって、圭太?」


「そう、あいつ結構面白いからな
またカラオケにでも行こうかな」



圭太も来るのか


「圭太が来るなら、俺も行くわ」

こんな気持ちでテストに身が入るとは思えないしな


「おっ、マジで!?じゃあ、明日聞いてみるわ〜」



《翌日》


「圭太〜、このあと暇ー?カラオケ行こうぜー」



「えっ、ちょっとその……」


「なんだよー、お前もなんかあんのかよ」


「いや、実は」


「私とテスト勉強するの」


その声は………



「蒼?」


「猛、知り合い?」


「いいえ、私はこんなチャラついた男知らないわ」


なんだよ、その言い方


「圭太くん、早く行こ?」


いつから圭太とそんな仲になっていたんだよ


なんで圭太も何も言ってくれなかったんだよ



がたん



うん?いまそこに誰かいたような
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