ずっと一緒にいてね?

もちろん、友達と外で遊んでいる同年代の女の子を見れば、少なからず羨ましいという思いもあった。


でも、その時の私には、遊べるような友達もいなかったし、一人で本を読んでいる方が楽しかった。


だけど、私のこの性格が、事態を最悪な方向に導いてしまった…




「…私、こう見えて、小学生の頃はテニスが好きで、テニスを習っていたんです。だけど…あれは、小学2年生の夏でした…。私の通うテニスクラブは、最寄り駅の隣の駅のすぐそばでした。」


だから、小学2年生だったけど、ちゃんと一人で電車に乗って通っていた。


ことが起こったのは、夏休みのある日のテニスクラブから帰る途中の電車の中だった。


私は、いつものように電車に乗った。


元からこの時間帯の電車は混んでいたが、今日はより一層混んでいて、隣の人と体が密着しそうな距離だった。
< 115 / 320 >

この作品をシェア

pagetop