ずっと一緒にいてね?

私は、先に乗ったために、奥のドアへ押しやられてしまった。


「…電車が出発して、すぐでした。おしりに違和感を感じたんです。小さい頃からずっとほ本を読んで来て、同年代の子たちよりも、知識があり、賢かった私は、すぐに分かりました…。痴漢だ、と…。」


でも、小さい頃から家に篭りがちで、自分が感じたことをちゃんと言葉に出来ない私は、ただ耐えることしか出来なかったんだ…。


ただ怖くて、気持ち悪くて…。


しばらくして、手がスカートの中に入ってきた時は、もう頭が真っ白になって…何も考えられなくなって…


結局、自分が降りる駅も忘れて、痴漢男が降りたところで、我に返ったけど、その瞬間に気を失ってしまった。


まだ幼かった私には、それだけ衝撃が強かった。
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