幸せの扉を探して

新**


病室に戻り帰る準備をしていると
“コンコン”
入ってきたのは
     新君だった。

「桜ちゃん、大丈夫?」
と、私に言いながら
あかねさんに
「こんにちわ」
と、挨拶をする新君に
「新君、心配かけてごめんね。」
「たまたま、あのカフェにいたんだ。
沢田さんの、ゆなっと叫んでいる声で
桜ちゃんだと思って
近くに行くと桜ちゃんが
倒れていて、いつも落ち着いている
沢田さんが、酷く動揺していたから
救急車の手配したんだけどね。」
「ごめんね、本当に助かりました。
お店の方にも謝ってくれたんでしょ?
本当にありがとうございます。」
と、言うと
「いや、俺の事は
気にしなくていいよ。
桜ちゃんが無事なら。」
「うふふっ、でも、ありがとう。」
「良かった。笑顔が見れて。
病院に運ばれてから
顔色もなくて心配だった。」
「うん、もう大丈夫。」
と、お腹に手をあてると
「いいの?あいつは・・・
「大丈夫だよ。新君。
この子は、私の命なの。
誰の子でもなく、私の大切に命なの。
だから、大丈夫。
今からは、この子の為に
きちんとした生活をする。
今まで甘えてばかりいたの
彰さんやあかねさん
永莉ちゃんや颯天先生が
優しすぎるから。
だけど、それではダメだよね
この子にも叱られちゃう。
だから、きちんと食べて
きちんと寝て
頑張って仕事もする。」
と、肩をすくめながら話す桜ちゃん
「はいはい、あまり気負わないでね。」
と、あかねさんに言われて
二人で笑いあっている
桜ちゃんとあかねさんに
「桜ちゃん、俺もいれて。
その人達みたいには
なれないかもしれないけど
俺も桜ちゃんの力になりたい。
俺、今、親父の仕事を手伝って
いるんだ。だから融通がきくから。」
と、意気込んで言うと
「きいたよ、永莉ちゃんに。
SHISEIDOやめたんだね。
架瑠は、新君をとても頼りにしていたから
今、大丈夫か、心配だけど
あっ、私が心配することじゃないね
新しい奥さんいるからね。
新君の気持ち嬉しい!
ありがとう。
だけど、お父さんの仕事は
ちゃんと、やらないとだめだよ。
その合間に、会ってくれるだけで
私は、嬉しいの。」
と、言うと
「新しいって?知っていたの?」
「うん。実はね・・・・・・・」
と、架瑠と新君がアメリカに
出張しているときに架瑠の
お母さんにされたこと
相澤さん親子に合わされたこと
結婚の準備がされているからと
言われていたこと
を話した。
するとあかねさんが
「心ない事も言われてね。
桜ちゃんは、意識をなくして
病院に運ばれた事があったの
それから、永莉ちゃんの
心配はすごくてね
だから、今回の時に
酷く動揺したんだと思うの。
あのしっかりした
永莉ちゃんが。
それだけ、前回倒れた桜ちゃんが
大変だったのわかるでしょ?
それに、まだ、着信音が
ダメなの。」
「えっ。あかねさん
知ってたのですか?」
「わかるわよ。何年桜ちゃんを
見てると思っているの」
と、言われて
恥ずかしそうにしている桜ちゃんと
そんな桜ちゃんを温かい目で
見ているあかねさんに
ホッとする気持ちと
架瑠の親にフツフツと
怒りがわいて仕方なかった。
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