幸せの扉を探して

架瑠は、なれない仕事だが
毎日が充実していた。

朝は、桜が一人で見送りを
してくれる。
「気をつけてね。」
「ああ、桜も無理するなよ。」
「うふっ、大丈夫。」
「じゃ、行ってくる。」
「行ってらっしゃい。」
と、桜が言うと
架瑠は、桜にキスをして
出社していく。

それからは、結俐と二人で
のんびり過ごしてから
あかねさんに結俐を見てもらい
買い物をすませる。

買い物をすませると
少しだけ、あかねさんと
話してからマンションに帰り
食事の準備をする。

夜になり
架瑠が帰宅すると
「お帰りなさい。」
「うっー、ああ~っ」
「ただいま、ゆなっ、結俐っ」
と、言いながら
桜にキスをして
手洗いに行き
桜から結俐を受けとる

桜は、夕飯の準備をし
架瑠は、結俐と遊ぶ
「今日は、何してた?」
「ママを困らせずに
良い子にしてたか?」
と、話かけながら、頬ずりをしたり
高い、たかいをしたり
結俐は、きゃっ、きゃっと
楽しそうな声をあげている

桜は、それを聞きながら
架瑠がいて、結俐がいて
自分がいる
こんな幸せな日々を過ごせるとは
思っていなかったと感慨ぶかい
思いだった。

食事が終り
架瑠と結俐は、お風呂へ
桜は、片付けをしながら
綺麗にしてもらった結俐を
受けとり、着替えさせる
「一緒に入るお風呂、慣れたね。」
「そう?落とさないように
まだ、ヒヤヒヤしてる」
「そうなの?全然感じなかった。」
と、笑いながら結俐を連れていく

着替えて、母乳とミルクを
あたえると結俐は、
気持ち良さそうに眠ってしまった。

日に日に、成長していく
結俐に、愛しさが増していく


首がすわり・・

寝返りをするようになり・・

ハイハイであちこち探検して・・

お座りをして、たまにころんと
なったり・・

つかまり立ち・・
不安定なものでも、つかまって立とう
とするから、そのまま転んだり

一人で立ち・・
嬉しそうに手をたたいて
笑っている

一歩・・一歩・・歩く・・
楽しくてたまらない様子

結俐の一喜一憂に
架瑠も桜も
幸せを噛みしめながら
毎日を送っていた。
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