あの日の空にまた会えるまで。


「誰か友だちは出来たの?」
「友だちというか、彩月さんと遥さんと仲良くなれましたよ」

友だちと言えるほどまだそんなに打ち解けてるわけじゃないけど、それなりには仲良くなれたと思う。

「誰だろ。俺の知らない奴だ」

ん?

「でも彩月さんと遥さんは奏先輩のこと知ってるみたいでしたよ」

一方的に知ってるってことだろうか?

でも彩月さんと遥さんのあの会話、ただ一方的に知ってる感じではなかったような気がするけど…

「あーじゃあ知ってる人なのかな?俺は分かんないけど…」
「……そうなんですか」

まぁ、噂とか遠目から見てる雰囲気とかあるしね。彩月さんたちが知ってるからと言って必ずしも奏先輩が知ってる人だとは限らないもんね。知らなくても別に不思議ではない。

会話が途切れて、沈黙の時間が流れる。


と、その時。
奏先輩が大きくため息を吐いた。

「……ごめん。話がしたくて呼んだんだけど正直何から話せばいいのか分かんなくて、整理ができてないんだ」
「…はい」

少し顔を歪めながら、テーブルに置いているペットボトルを見つめる奏先輩に私は苦笑する。

気まずそうに顔を強張らせて、怯えすら見えるその姿に私は何も言えなかった。

でもそんなこと言ってられない。奏先輩がそうやって緊張しているうちはきっと話は進まないだろう。優しい人だから、言葉が選べないんだ。私を傷付けない言葉を探して、でも見つからなくて、それの繰り返し。

なら、話を聞くと決めた私も同じように話を進めなければならないんだと思った。

「じゃあ…私から聞いていいですか」
「……うん」


「ーーーどうしてあの日、突然いなくなったんですか?」


私たちの中に流れていた刻だけを止めたあの日。どうしてあなたは私に何も言わず、何も伝えず、約束さえも無かったことにして、私の前から忽然と姿を消したのですかーーー





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