離婚前提。クールな社長と契約妻のとろ甘新婚生活
キッチンにいたのは流川千景だった。
そしてその瞬間、百々花の記憶のスイッチが切り替わる。
昨夜、愛華と一緒に飲んでいる場に千景が現れたことを思い出した。おぼろげながら、彼が百々花の隣に座ったと。
でも待って。どうしてそこからこの展開に繋がるの?
点と点は遠く離れたまま。いっこうに線で結べない。
千景が百々花に気づき微笑む。
一瞬、自分に向けられたものだと思わず後方を確認した。でも、自分以外には誰もいない。
「おはよう。目覚めはどう?」
「えっ、あ、はい、大丈夫で……すが、あの……」
状況がまったくつかめない。なにがどうなって、こうなっているのか。
昨夜、確かに彼の姿を見るには見た。でも、そこからここまで一気にワープしたかのよう。途中になにが起こったのか身に覚えがない。
「ここがどこだかわからないって顔だね」
「は、い……」
まさしくその通りだ。