死者の言葉〜最期のメッセージ〜
「藍さん!俺です、大河です!!」

藍の家のドアを何度も大河はノックし、呼び鈴を鳴らす。しかし、家の中は静まり返っていて人がいる気配がしない。

「もしかして中で……」

大河はゾッとし、スマホを取り出す。誰に電話をするか悩んだ挙句、一番頼りたくない人物を選ぶことにした。今は嫌いだと言っていられない。

コール音が十回ほど鳴り、その人物は電話に出た。

「医大生、何の用だ。こっちはお前とは違って忙しいんだぞ」

不機嫌な如月刑事の声が聞こえてくる。しかし、大河は普段のようにムッとしたりせず、むしろ少し安心できた。

「如月刑事、霧島さんと電話はつながりますか?」

「藍?電話がどうした?」

藍と聞くと、如月刑事の声がかなり穏やかになる。大河は藍が無断欠勤していることと、誰からの電話にも出ないこと、家にもいないようだということを話した。

「今すぐそこに行く!そこで待ってろ!」

如月刑事は早口でそう言い、電話を切った。
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