死者の言葉〜最期のメッセージ〜
如月刑事が高遠博たちの顔写真を見ていると、「如月さん!」と原刑事がやって来た。

「あの三人の所属していた劇団について調べたんですが、一人自殺した人がいることがわかりました」

「自殺?」

「睦月沙羅という女優で、噂では凍死した牧野美菜に騙され、高遠博と郷野勇吾に性的暴行をされて自殺したそうです。マンションの一室で自ら包丁でお腹を刺して……」

原刑事は悲しげな顔をする。如月刑事は「その自殺した女性に兄弟はいるのか?」と訊ねる。

「えっと……お兄さんがいるようですね。名前は睦月圭というそうです」

「……すぐにその男のことを徹底的に調べるぞ!」

如月刑事は立ち上がり、部屋を出て行った。



藍は拘束され、また部屋に閉じ込められていた。その表情は迷いがある。真実を睦月圭に告げるかどうか悩んでいるのだ。

睦月沙羅の遺体の傷の状態、そして解剖をしてすぐに藍は睦月沙羅の死因がわかった。しかし、睦月圭に「まだわからない」と言い、今日まで黙っているのだ。
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