恋はポテトと一緒に落ちてくる
 次の日から、外遊びが始まった。

初日の今日は、ドッジボール。

定番中の定番だけど、私はこれが一番嫌い。

そもそも、人に物を投げつける意味が分からない。

消しゴムを投げたら怒られるのに、ボールをぶつける目的で投げても怒られない理由が分からない。

 二時間目が終わり、私は分かりやすくブルーな空気をまとって赤白帽子を手に取る。

「柚子、行こ?」

私とは対照的に、キラキラ太陽のような笑顔で翔くんが誘ってくる。

っていうか、いつの間に呼び捨てに変わったの?

戸惑う私をよそに、翔くんは手を取って連れ出そうとする。

私は1分でも遅く行きたいのに。

「翔くん、先に行って。
私、あとで行くから。」

私がそう言うと、

「柚子、ドッジ苦手だろ?
一緒にいないと守ってやれないから、一緒に
来いよ。」

え?

えっと…
それは、どういう…?

私の頭の中は、クエスチョンマークがいっぱい踊っている。

ああ!
同じチームだからか。

チーム分けは、教室の席の右半分対左半分。

だから、私と翔くんは、同じチーム。

勝つためには、弱い子を守らなくちゃいけないんだ。

私は翔くんに引きずられるように運動場に連れ出された。
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