恋はポテトと一緒に落ちてくる
「柚子ちゃん、同じクラスになるの初めて
だよね?
2クラスしかないのに、珍しいよね。」

「うん。」

翔くんは、屈託無く話し掛けてくれるけど、人見知りの私は、返事を返すのが精一杯。

それでも翔くんは、気にした様子は全くなく、自分の荷物を片付けていく。


 夕凪先生は、クラスの和を大切にする先生だった。

「6年2組では、20分休みは太陽の時間と
します。」

??? 何、それ?

「先生! それ、どういうことですか?」

翔くんが質問する。

「晴れた日は外へ出て、全員で学級遊びを
します。遊ぶ内容は… 体育係さんに決めて
もらおうかな。」

え…
すっごく嫌。

だけど、そんなこと、私に言えるはずもない。

だけど…

「読書とか、絵を描いたりしたい子は
どうするんですか?」

まるで私の意見を代弁するかのように、翔くんが質問を続ける。

「そういうのは、昼休みにしましょう。
そうして、毎日、1回、クラスみんなで
遊ぶの。先生も時間がある時は入るから、
入れてね。」

クラス中がざわつく。

 去年の先生は、2クラスともベテランの先生で、休み時間は宿題を見たり、いろんな雑用を片付けたりで、外で遊んだことなんて、全然なかった。

夕凪先生の年齢は知らないけど、どう見ても二十代。

はぁ…
元気が有り余ってる先生って、めんどくさい。

私は心の中で呟く。

夕凪先生は、それ以外はとてもいい先生だけど、休み時間に外遊びを強要するのはやめてほしい。
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