いきなり婚─目覚めたら人の妻?!─
「だったらこうしましょう。新居御祝いと言うことでお手伝いに行かせていただきます。私は料理も赤ちゃんのお世話も好きですし、お金をいただくほどのことじゃありませんから」

私がそう言っても池崎課長は遠慮して「それでもやっぱりタダと言うわけには……」と言っていたけれど、最終的には晩御飯を一緒にいただくと言うことで決着がついた。

夕方に妹夫婦の家まで上の子たちを迎えに行ってから帰宅して、家族みんなで食事したいので、晩御飯には子どもたちの好きな鶏の唐揚げとオムライス、奥さんの好きなかぼちゃのサラダと、野菜のたっぷり入ったスープを作ってくれないかと、池崎課長は少し照れくさそうに私にお願いした。

材料はネットスーパーで注文して、土曜日の昼頃に配達してもらうので、必要な材料を明日にでもメールして欲しいとのことだった。

土曜日の午前10時に駅前で待ち合わせの約束をしたあと、店を出て帰路に就いた。

電車の中で、池崎課長が言っていた言葉を思い出して、なんとなく気になった。

安藤部長が私に話していないことってなんだろう?




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