いきなり婚─目覚めたら人の妻?!─
いつもとは違って余裕のない顔も、少し息を荒くして私を求める熱い体も、創さんのすべてが愛しい。

愛する人に愛されて求められるって、幸せなことなんだな。

私は幸せをかみしめながら、とろけきった心と体いっぱいに、創さんの溢れんばかりの愛を受け止めた。


正午を過ぎてようやく起き上がり、シャワーを浴びて食事をすることになった。

休みの日の朝はパンを食べることが多いけれど、昨日は買い物に行かなかったからパンはないし、引っ越し前の準備として冷蔵庫の中はほとんど何もない状態にしていたから、料理が作れるほどの食材は残っていない。

どうしようかと台所を漁っていると、戸棚に小麦粉とベーキングパウダーがあったので、冷蔵庫の中に残っていた金時の煮豆やチーズ、イチゴジャムなどを入れて蒸しパンを作った。

創さんは家庭にあるものでこんなに簡単に蒸しパンが作れることに驚いていたようだけど、お店で売っているのより美味しいと言ってたくさん食べてくれた。

半端に残っていた食材を使って簡単なものを作っただけで、こんなに喜んでくれるなんて嬉しい。

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