いきなり婚─目覚めたら人の妻?!─
創さんと池崎課長の顔を交互に見ると、二人は顔を見合わせてなんとも言い難い表情を浮かべた。

「仕事に関しては新入社員以下だな」

「ああ。それに比べて、真央は東の倍……いや、少なくとも3倍は仕事してる」

3倍は大袈裟じゃないかと思うんだけど……。

未来さんは創さんの言葉を鵜呑みにして、大きな目を丸くしている。

「そんなに?」

「真央は勤続15年以上のベテラン社員と同じくらい仕事ができる。仕事が早くて正確で、細やかな気遣いができるし、細かいことにも他の者が気付く前に気付いて動く。同期の社員と同じ月給にしておくのが申し訳ないくらいだ」

「へぇ……真央ちゃんってすごいのね!」

「いえ、それほどでも……」

目の前でこんなに誉められるのは、やっぱり慣れなくて照れくさい。

「真央ちゃんは創と結婚したわけだけど、今後も仕事を続ける気はある?」

「もちろんです。できれば定年まで働きたいと思っていますが」

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