いきなり婚─目覚めたら人の妻?!─
私も絶対にうまくいくとは思っていないけど、このさきも創さんと夫婦として一緒にいるためには、今のこの現状をどうにかして切り抜けなくてはいけない。

二人で不安がっていてもどうにもならないから、せめて少しでも気を強く持たなければ。

私はこんなときこそいつも通りでいようと、信号待ちで車が止まったタイミングで創さんに声を掛ける。

「創さん、ついでだから少し食料品を買って帰りたいんですけど」

「ん?ああ、そうだな。どこに行けばいい?」

「前に住んでいたアパートのそばの……一緒に買い物に行ったことがあるでしょう?あのスーパーに行きましょう。野菜も魚もお肉も新鮮で、すごく安いんです!今日はお肉の特売日ですよ!」

「よし、じゃあ行くか。いっぱい買って帰ろうな」


それからスーパーに行って、晩御飯は何にしようかと相談しながら買い物をして帰宅した。

今夜は創さんリクエストの豚の角煮と筑前煮、ほうれん草と厚揚げの味噌汁を作ることになった。

しっかり食べて、よく寝て、明日からの闘いに備えよう。




< 546 / 991 >

この作品をシェア

pagetop