いきなり婚─目覚めたら人の妻?!─
創さんと池崎課長のプライベートを見ていると、どちらが上司なんだかわからない。
池崎課長は創さんの義兄と言うより、むしろ本物の兄のように見えるし、創さんは根っからの弟気質なのかも知れない。
それだけ創さんは池崎課長を信頼していて、気の置けない関係なのだろう。
破談作戦の計画が少し進んだこともあってか、さきほどより和やかに話していると、テーブルの端に置かれていたスマホが鳴った。
スマホは池崎課長のものらしく、未来さんが池崎課長に手渡す。
「おふくろから電話だ」
電話に出て短いやり取りを終えた池崎課長は、スマホをジーパンのポケットにしまいながら、少し慌てた様子で未来さんの方を見た。
「杏樹が昼寝のあとからぐずり始めて、どうも熱があるらしい」
「えっ、杏樹が?」
「これから俺は子どもたちを迎えに行くから、今日のところはこれで解散だ」
私と創さんは、子どもたちを迎えに行く池崎課長夫妻と一緒に池崎家を出た。
創さんは車を運転しながら何度もため息をついている。
作戦が本当にうまくいくのか不安なのかな。
池崎課長は創さんの義兄と言うより、むしろ本物の兄のように見えるし、創さんは根っからの弟気質なのかも知れない。
それだけ創さんは池崎課長を信頼していて、気の置けない関係なのだろう。
破談作戦の計画が少し進んだこともあってか、さきほどより和やかに話していると、テーブルの端に置かれていたスマホが鳴った。
スマホは池崎課長のものらしく、未来さんが池崎課長に手渡す。
「おふくろから電話だ」
電話に出て短いやり取りを終えた池崎課長は、スマホをジーパンのポケットにしまいながら、少し慌てた様子で未来さんの方を見た。
「杏樹が昼寝のあとからぐずり始めて、どうも熱があるらしい」
「えっ、杏樹が?」
「これから俺は子どもたちを迎えに行くから、今日のところはこれで解散だ」
私と創さんは、子どもたちを迎えに行く池崎課長夫妻と一緒に池崎家を出た。
創さんは車を運転しながら何度もため息をついている。
作戦が本当にうまくいくのか不安なのかな。