いきなり婚─目覚めたら人の妻?!─
「なんで?俺は真央と子どもに対しての責任を負うわけだから、うちの親も東の親も縁談はあきらめるだろうし、何も問題ないだろ?」

「親が子どもに対して責任を負うのも義務を果たすのも当然です。だけど子どもは親の勝手な都合とか、駆け引きの材料のために生まれて来るんじゃありません」

私が強い口調でそう言い切ると、創さんは目を大きく見開いたあと何度か瞬きをして、私の肩に額を乗せてため息をついた。

「うん……真央の言う通りだ。俺は自分の親と同じことをしようとしてたんだな」

「もちろん私もいずれは創さんとの子どもが欲しいです。生まれたら責任を持って、目一杯愛情を注いで一生懸命育てるつもりです」

「俺も。真央と一緒に、にぎやかであったかい家庭を作りたいと思うよ。俺にはそういうのなかったから子どもには俺と同じ思いはさせたくないし、真央と子どもを守るためならなんだってできると思う」

創さんはご両親とは親子らしい関係を築けなかったから、余計にそう思うのかも知れない。

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