いきなり婚─目覚めたら人の妻?!─
『おはようございます。お迎えに上がりました』

「ありがとうございます」

私はエントランスのロックを解除して、記入を済ませた養子縁組の同意書を創さんに手渡し、創さんに買ってもらったバッグを手に取った。

「じゃあ、行ってきますね」

「うん、またあとで」

「あとで……?」

それは仕事が終わって家に帰ったら、と言うこと?

『また夜にな』ならわかるけど、『またあとで』とは妙な言い回しだ。

なんとなく引っ掛かるけど、雲雀さんと運転手さんをお待たせしては申し訳ないので、今はそんな些細なことを気にしている場合ではない。

あまり深い意味はないのかなと思いつつ玄関に向かうと、見送ってくれるつもりなのか創さんが私の後ろをついてくる。

靴を履いて顔を上げた瞬間、創さんが背後から私を抱き寄せた。

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