キミに伝えたい愛がある。
1次審査は無事突破し、2次選考の面接にこぎ着けた。


そんなに大きくはないけれど、ビル1層がその会社のものだった。


こんなに緊張するのは高校の吹奏楽コンクール以来かもしれない。


大学受験も最初の就活も結果がおよそ見えていたから、おもりが乗せられていて吐き気のするような極度の緊張を体験するのは久しぶりだ。


ストレスからか痩せてしまったみたいで就活の時のスーツが緩く、みっともないので買い直した。


逆にそれが良かったのか、新鮮な気持ちで面接に臨むことが出来た。


面接官はどう見ても同年代と見られる若い男性だった。



「実はこの会社、来年度から社長が変わるんですよ。


今はホームページに載っていたあのおじさん...。


失礼しました。あの、前島さんが社長なんですけど、僕よりも年下で優秀な人がいましてね、その人に会社を任せることになったんですよ。


ですから、愛宮さんが採用となった暁にはその社長の元で働くことになります。


そのことに関してご理解いただけますか」



最初にそう言われた。


私はそれを聞いてますますこの会社で働きたいという気持ちが高まった。


新しいことをその社長の元で始めたい。


心機一転には持って来いのシチュエーションだ。



「私は新しい場所で新しいことを始めたいです。ぜひとも御社で働かせて下さい」



そう言った。


自分の強い意志で。


男性社員も私の熱意に驚いたのか、目を丸くしながらも私の話を最後まできちんと聞いてくれていた。


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