キミに伝えたい愛がある。
ゴールデンウィーク最終日の最終上映にギリギリ間に合った。


私のお気に入りの学園シリーズが映画化されたから、なんとしても見たくて来てしまったのだ。


祖母には夕飯はいらないと言ってある。


ポップコーンにコーラという王道を完全無視。


オレンジジュースのみにした。


作品に集中したいから極力水分も取りたくないのだが、喉の乾きは我慢出来ないのでやむなく買った。


3日前からのリザーブで最後列のど真ん中を射止め、10分前に着席した。


最終上映だから観客もまばら。


これは確実に集中出来る。


スマホを見ると7時40分。


まもなくで始まる。


あぁ、楽しみだなぁ...。


隣に誰も来ないと良いけど。


同性ならまだしも異性はちょっと緊張する。


恋愛要素満載だからね。


なんて思いながら時間を潰していると、ブーッという音が鳴り、静かに暗くなった。


予告上映と、変な動きをする男が出てきて注意喚起をする。


よし、いよいよだ。


気合いを入れて見るぞ。


と思ったら扉が勢いよく開き、男性が小走りで階段を駆け上がってきた。


ももも、もしや...


最後列?!


隣には来ないで!


リザーブしてて隣だったとしても、席空いてるから隣には座らないでください!


映画が始まる前から手を握るって...ヤバイ。


身構えていると...来た、例のヤツが!



「あれ?ちーじゃん!」



この声はもしや...。


暗くたって見間違える訳がない。


左隣にちゃっかり座ったのは、りっくんだった。



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