キミに伝えたい愛がある。
かなり長い電話だった。


かれこれ1時間近く居間には戻らず、ずっと泣いていた。


どうして泣くのか、


どうしてこんなに泣けるのか、


どうしてこんなに涙が止まらないのか、


分かるようで、分からなかった。


ただ、


とにかく悲しくて


とにかく苦しくて


泣くしかなかった。


今までの色々な物事のせいでもあるけれど、でもきっと1番は...りっくんだ。


りっくんを...傷付けてしまった。


それが大きかった。


幼なじみとはいえ、今までは本当に、りっくんとは出来れば関わりたくなくて、めぐちゃんといるから話せて、めぐちゃんがいない時は髪をいじられるだけの関係だった。


それなのに、なぜか最近はりっくんともっと一緒にいたいと思ってしまう。


今までも本当は...本当は...ずっと、ずっと話しかけたかったのかもしれない。


知りたかったのかもしれない。


近くて遠い、りっくんという存在に私はようやく気がついたんだ。


そして気づいた時にはもう...手遅れ。


色々なことがあって、その全てが後悔にしかならない。


そんな自分にも、


そうなってしまう運命にも、


涙しかなかった。


向日葵のようなりっくんを、


めぐちゃんを、


私は今までどのように見てきたのだろう。




私が泣き止んだのは、皆が食べ終わった頃だった。


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